1.パネルシアターとは
パネルシアターは日本で生まれた文化財です。そのルーツは「フランネルグラフ」という、広くヨーロッパ・アメリカで使われていた紙絵人形芝居にあります。フランネル生地(ネル生地)をボードに貼ったものを舞台として、その付着力を利用して紙絵人形を貼っていたものです。
ただし、フランネル生地に紙だけでは付着しないので、紙絵の裏にもフランネルを貼っていました。つまり、絵人形を裏に返すことはできなかったのです。

1970年代の高度成長期に不織布が大量生産されはじめました。「この不織布に絵を描けば裏に何も貼らなくてもフランネルに付着する!」ということに注目した、創案者・古宇田亮順先生によって、フランネルグラフは飛躍的に楽しさを広げて「パネルシアター」と名付けられました。
パネルシアター用の不織布は「パネル」の「P」をとって「Pペーパー」と呼ばれ、ボードもネル生地のかわりに起毛された「パネル布」が使われるようになり、付着力が増しました。絵人形の裏表は自由自在になり、縫ったり、重ねたりとその工夫はとどまることを知りません。

Pペーパー

パネル布

パネルシアター『あめふりくまのこ』

2.パネルシアターのしかけ
様々なアイディアで作られたパネルシアターの絵人形は、ステージ上でとても豊かな動きを見せてくれます。
ただ貼り付けるだけにとどまらない予想を超えた動きには、子どもたちだけでなく、大人たちをも引き込む力があるようです。

『おおきなかぶ』より。「うんとこしょ、どっこいしょ」のかけ声とともに、大きく後ろに「かぶをぬく」動作をします。

『あめふりくまのこ』より。やってきたくまのこが、おがわをのぞく仕草には、思わず「わぁ〜」という声があがります。

3.パネルシアターとコミュニケーション
パネルシアターは舞台の裏に隠れる人形劇やペープサートとは違い、子どもたちの前でオープンに演じるもので、演じ手の一挙手一投足をみられています。逆に言うと、演じ手からも子どもたちの表情も動きもすべて見えているのです。
すると、ここには会話が発生し、交流が生まれてくるのです。パネルシアターの最大の特徴が「コミュニケーション」だということになります。決して「しかけ」の楽しさや技術的な巧みさに頼っている訳ではないのです。

パネルシアターの初心者は、とにかく間違えないようにとか、台詞をわすれないようにとかで余裕がありません。子どもたちに背を向けて自分ひとりの世界で進めてしまいがちです。
でも、慣れてくると自然に子どもたちの声が耳に入ってくるようになり、会話が生まれ、「あそび」が入ってきます。この「自然に会話が生まれる」というのがパネルシアターなのです。
幼児は、自分に語りかけてくれることで夢中になり、他の子はその会話に共感あるいは反論して、その話により深く入り込んでいきます。コミュニケーションがコミュニケーションを呼び、子どもは満足心を味わっていくのです。

公演後によくこんなことを言われます。

「うちの子は今まで、自分から手をあげたことがないのに、今日は手をあげて返事をした」
「この子は、落ち着きがなくて、30分以上じっくりと観劇は出来なかったのに、今日は1時間もじっと見ることができた」

パネルシアターには不思議な力が宿っているようです。
こんな魅力いっぱいのパネルシアター、いっしょに体験してみませんか?
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